2023年にやりたいこと

来年の抱負じゃないけど、一息ついたタイミングでやりたいことを整理しておくとどこかのタイミングで役に立つかもしれない。

今年は人生で一番プログラミングした気がする。 3月の末にmerpayで短期のインターンに参加したのを皮切りに、 4月にキャディでのアルバイトをはじめるなど、プログラミングをする機会が増えた一年だった。研究でもインタプリタをゴリゴリ書いてみるなどした。最近は講義で簡単な定理証明支援系の実装に挑戦している。変わり種としては、IBMの方々が講師として開催されているJVM関連のコンパイラ/VMの講義にも参加している。

型システムつきの言語ばかり触っていては視野が狭くなってつまらないだろうと思って意識的にPythonやJS/TS、Racketを使ってみるようにしていた。ライブラリをつなぎ合わせるくらいなら不便がなくてよいのだが、ある程度込み入ってきて、一つのデータ構造を複数のコンポーネントから使うようになると型システムが欲しくなる。クラスや契約である程度カバーできる面はあるが、型システムにまもってもらう安心感は得られない。抽象化をしきれないというか、しても心のどこかで実装を意識しながらデバッグしたりすることになるし、そもそも抽象化を書きにくかったりする。

なんにしてもプログラムをゴリゴリ書く能力はついたと思う。今年はとにかく動くものを作る系のコーディング技術を身につけた一年だった。年の最後にPythonで言語処理系を実装するとき、クラスを使わずdictとlistだけでどこまでいけるかやってみたのだが、型システム(依存型を含むので、いわゆるeval的な処理も必要)の実装で力尽きた。その経験からやはり型は必要だと思い直したのであった。 dataclassを使って一日かけて書き直したらまともに実装できたので感動している。もはやC++とかで書いた方がいい気がするが。

3月くらいまではあまり実装をする人ではなかった。実装に手を出し始めたのは最近の話。プログラミング言語の理論(型システムとか抽象機械とか意味論とか)ばかり見ていて論文やドキュメントを読むのが何より楽しいと思う人だった。論文を書く中で言語の使い手の気持ちがあまりわからなくなったり、論文を読んでいても、プログラマの幸せにつながる未来を想像できない研究をみたりした。

プログラミング言語や処理系はプログラムや表現したい対象があって初めて良し悪しが見えてくるものだと思う。そういうプログラミング言語の研究の動機の部分をもっと知りたくて実装に手を出してみた。結果は上々で、今の僕は去年よりもプログラミング言語やプログラミングのことが好きな自信があるし、そういう話をして楽しい人間に近づけたと思う。丸くなってしまいはしたかもしれないが。

インフラっぽいことを型システムやコンパイラの表現力/処理でまっとうに行いやすいようなしくみを考えて、実現に向けた方針くらいを打ち立てたい。インフラの勉強とRust, Scala, Haskell(適切なものを一つ)の業務で自在に使えるくらいの知識が必要だろう。

DSLやconfigでインフラ/ミドルウェアを構成するのが最近流行っているようだが、そういうのを勉強するのはつらい。あまり長持ちする技術ではないだろうし、知識としての深みも出にくそうな印象をうける。ライブラリとして提供してもらって他の便利機能はプログラミング言語に移譲するのがよいだろう。適切な言語であれば、ライブラリ特有の問題を言語の機能で扱いやすくできるはずだ。僕がやりたいのは、そのやさしく扱いやすくする部分。

その他にも全然知らない世界(技術的)をみたいし、文化的な面でも知らないところに飛び込むつもりだ。今年はそういうことをしやすい一年だと思う。楽しい一年になりそうだ。

まずは修士の研究をやろう。